北欧デンマークの国旗

デンマークデザインのDNA

北欧デンマークの海を見守るマーメイド

なぜ、デンマークはデザイン大国として長きにわたり、世界中で熱狂的なファンをもつデザイン家具やプロダクトを作っているのでしょうか。
これは、この国の歴史や気候に関係しています。

デンマークの気候と”Hygge”

デンマークは緯度が高いため、夏にくらべ冬の日照時間が極端に短くなり、真冬は午後3時台に日が沈んでしまいます。天気もどんよりと暗い日が多いので自然と人びとは家の中で過ごす時間が多くなるようです。
どんよりと寒い外を忘れ、楽しく過ごすには。
それは、家の中をいかに快適にするかにかかっています。そのために人びとは自分の気に入るよう家をリノベートし、長年使える、毎日眺めても飽きないであろう、高品質な家具を入念に選び、部屋に置きます。
 恐らくデンマーク人は、世界で一番多くの時間を家の中で過ごし、また家にお金をかける民族でしょう。デンマークの人びとはそうして家族や友達と団らんし、楽しく過ごすことをデンマーク語でHygge(ヒュッゲ)といい、何よりも大切にしています。

デンマークデザインの歴史的背景

こうした気候による背景とともに、第二次世界大戦後の物不足の時代のなか、いかに少ない材料で質の高い製品を作るかという苦しい時代を経たことで、より技術が向上したと考えられます。
 もともとデーン人というヴァイキング(ノルマン人)の一派であったこの国の先祖は、巧みな航海術で支配や交易を行ったのと同時に、優れた職人であったと伝えられています。当時の水準としては世界最高の技術を持っていたとも言われています。この高品質で機能的な製品を作ろうという職人としてのDNAと、長い間で培われたデザイン力が最高潮に達したのが、アルネ・ヤコブセンを初めとする家具・建築デザイナーの登場となる第二次世界大戦後でしょう。

デンマークデザインの現在

デンマーク政府のバックアップもあり、国内にはデザインを学ぶための環境が整備されているため、続々と若い才能あるデザイナーが生まれています。そして彼らの作品を世に送り出す、家具やプロダクトメーカーも国内にたくさん存在します。世界的に有名なのは、1872年より家具の販売をはじめ、ヤコブセンやウェグナーの製品も扱っているフリッツ・ハンセン社、高級オーディオなどで知られるBang&Olfsen社、照明器具のルイス・ポールセン社、家具メーカーのフレデリシア社などのインテリアメーカーを初め、Pedersen社、VELORBIS社の自転車、Dansk社のキッチン用品、Lego社の子供用玩具などが挙げられます。いずれも機能性を最大限に活かし、かつ魅力的で生活を楽しくさせてくれるデザインの高品質の製品を作り上げています。

デンマークデザインの黄金期

アルネ・ヤコブセンは1902年、コペンハーゲン生まれ。1920年代から数々の建築デザインを手がけ、戦後は『セブンチェア』をはじめとする家具デザインをスタート、世界的な評価を得ます。彼を尊敬してやまない若いデザイナーは現在も後を絶ちません。
 また、ヤコブセンの事務所に勤務し、ともにHWAM(ワム)本社近郊のオーフス市庁舎を手がけたハンス・J・ウェグナーは、その後独立し、『Yチェア』など生涯に500もの作品を発表。当時大きくて思い家具が流行していたデンマークのインテリア界に革新をもたらしました。
 ウェグナーの友人でもあるボーエ・モーエンセンもデンマークの近代家具デザインにおいて忘れてはならない一人。『スパニッシュチェア』などの作品を世に送り出しました。
 他にも、イージーチェア、アームチェアシリーズを発表したフィン・ユール、PK-22など生涯に50以上の家具をデザインしたポール・ケアホルムなど多くの巨匠が誕生しており、デザイン王国の名を世界に知らしめました。

機能美を誇るプロダクトデザイン

デンマークでデザインされたプロダクトの特徴は、意外にもまず機能や実用性を重視すること。まずいかに機能や性能が発揮できるかを検証した結果、その能力が最大限に活かされるデザインをします。そして、細部から全体のイメージにいたるまで、どこから見ても美しくあるように仕上げることで完成するのです。先祖伝来の高い技術と培われた高い感性が、世界中で絶賛を受ける作品を生み出しているのでしょう。
この技術、デザインを現代に受け継ぐ家具メーカーやブランドもぞくぞくと登場し、これからもデンマークのプロダクトから目が離せません。

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